新発見・Ao動作点



A1-S、AB1-PPの動作点

動作点と内部抵抗(rp)


真空管パワーアンプの設計時に最も気を遣うことは動作点の設定だと思います。現在では普遍的に使われているシングルアンプのA1とプッシュプルに使われているAB1には多くの記事が専門誌などに掲載されているので動作点の設定方法はそちらに譲ることします。

代わって、ここで議論したいことは、三極管は内部抵抗が低く、五極管は高いと一般的に理解されている都市伝説について疑問を投げかけたいと思います。このことは正しくもあり、間違ってもいます。

 

三極管と五極管ではrpの定義が異なる


三極管の場合;

三極管の内部抵抗が低いと言われているが、良く使われるWE300Bの例を挙げて議論しましょう。WE300Bのrpは600Ωとメーカーのマニュアルに記載されています(300Bとバージョンが上がった直後のWE社のマニュアルには390Ωと記載されています、しかしここでは現在普遍的に使われている600Ωを使います)。しかしながら、どのようにして測定したかは明確に記載されていませんので、ここで考えてみましょう。

真空管の特性を端的に表すデータに「陽極特性図」がありますが、プレート電圧100V付近から垂線を引き、G1のゼロバイアス線と交差する点を探します。そして、WE300Bの最大陽極損失は38W(初期のモデル)とマニュアルに記載されているので、この値を使います。ゼロバイアス線上でプレート電流Ip(mA)とEp(V)の掛算の答えが36Wの点を探します。

おそらく、Ep=150V, Ip=250mAになると思います。この三者の交点が三極管のrp=600Ωを表しています。但し、この球の最大プレート電流は100mAと規定されていますので、測定は迅速に行う必要があるでしょう。もし実験される場合は自己責任で行ってください。

故に、三極管のrpはゼロバイアス上で最大Pp(W)の点と定義していると考えて良いと思われます。しかしながら、実際のパワーアンプではここに動作点を設定することは無いでしょう。


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WE300B
Manual
WE300B.pdf
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五極管の場合;

五極管の例ではKT88のrpを考えるとこにしましょう。Genalexのマニュアルにはrp=12KΩと記載されています。五極管のrpの測定法は実効性のある方法を取ったようです。

但し、五極管は内部抵抗が高いと盲目的に信じるのは決して正しいとは言えません。動作点をどこに設定するかで実効的な内部抵抗(rp)は変わってきます。

五極管でも三極管接続するとrpを600Ωになるパワー管(KT88など)がありますが、五極管のままでも600Ω以下のrpを得る方法ことは可能です。これを可能にした考え方が動作点をAoに置く新しい多極管の使い方で右の欄に解説します(SDAの特許)。

 

ダウンロード
genalex-gold-lion-kt88-2002.pdf
PDFファイル 170.3 KB

新動作点・Ao

多極管は内部抵抗が高いと思い込まれている都市伝説に対し風穴を開ける新しい動作点があります。ゼロバイアスで低圧プレート電圧で働かせるAo(特許)です。ゼロバイアスではプレート電流(Ip)が流れ過すぎてプレート損失(Pp)をオーバーし赤熱・破損すると思われるでしょうが、AoはA1、及びAB1よりもはるかに安定して動作する新しいオーディオ・出力回路です。

SDAでは永年に亘り研究を続けてAoで働くパワーアンプを完成させました(特許)。

原理はG1をゼロバイアス(但し、ほんの少し0.3~数V程度の負電圧を掛けます)にすると電子はカソードから熱電子として飛び出しますが、G1の負電界に阻まれて先に進めずにG1とカソード(K)の間に漂い始めます、所謂、電子雲となって存在します。Ipを流すためには、G1はそのままで、G2の電圧を徐々に上げていきます。するとG1の網目から電子が抜け出してIpが流れま始めます。G2電圧を徐々に上げればIpは増えていきます。G2電圧を半可変して希望するIpが流れたところでG2電圧を固定します。Ao動作させる場合は、プレート電圧は低い電圧で使いますのでIpは大きな電流を流せます(但し最大カソード電流(Ik)とプレート損失(Pp)の範囲内で使ってください)。

この方法は、従来のG1のバイアス電圧(またはカソード抵抗を利用する自己バイアス)でIpを設定する方法よりも安定性が高く概ね一桁は高い安定性が得られます。それは、一般の5極・ビーム4極パワー管のG2~P間に存在する三極管の電圧増幅率(μG2P)は小さく概ね15~18程度(管球により異なる)です。G1バイアスの場合は電圧増幅度μ(p)は120~150程度が一般的です。電源の安定度が同じとすると、Ipの安定性は両者のμの差に依存します。

故に、Ao動作点で造るパワーアンプはIpが安定しているために、動作が安定し音に揺らぎがなく、長時間再生で音楽ニュアンスが乱れることなく再生される音は美しく聴こえてきます。なんといっても、バイアス回路を作らなくても良く設計の自由度が高いことは自作派にとってメリットとなります。

このAo動作方式のG2は、従来の遮蔽格子(スクリーングリッド)として働かせるのではなく「電子引き抜き電極」として働かせています、全く新しい多極管パワー管の使い方です。(SDAの特許)

このようなAoに動作点を置いた理化学機器があります、透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡に同じ方式が使われています。その名称はショットキー型電界放射型電子銃と呼ばれるています。

このように、SDAが新しく考案したAo動作点はオーディオ出力回路としては高度な技術に立脚した画期的な動作方法で、世界に誇れる日本独自の出力回路です。

動作点Aoを使うことで現在の管球アンプに内在する多くの課題を解決することが可能となりました。

Aoで動作させるアンプは、電圧入力信号によるプレート(カソード)電流の変化分だけを使います、電圧信号は動作の過程では使われますがOPT一次インダクタンス内で打消し作用が働き電圧信号はOPTの二次側(出力側)には出てきません。この様にして動作するパワーアンプを「コンダクタンス型パワーアンプ」と呼びます。Ao動作は一般的に低圧大電流で働かせます。

これによるメリットは、①OPT内に位相差が生じない、②出力管の内部抵抗が低くなる(概ね600Ω前後)、③一次インダクタンスを小さくできるので高域特性が伸びる、④周波数分解能が高くなり粒立ちの良い音を再生できる、⑤出力インピーダンスが低くなり高いDFを容易に得られる、⑥複数の一次インダクタンスが有機的に結合し仮想空間に大きなインダクタンス(M)を生成するので豊かな低音再生が可能となった。



 

 

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